アシストみやぎでは、インドネシアからの人材受入れをご検討される企業様が増えています。「17,000以上もの島がある国」「世界最多のイスラム教徒を抱える国」──そんな多様性豊かなインドネシアは、日本人にとって馴染みが薄いかもしれません。このコラムでは、現場ですぐに役立つインドネシアの文化・言語・習慣の基礎知識をまとめました。
まず知っておきたい基本情報
- 正式名称
- インドネシア共和国(Republik Indonesia)
- 面積
- 約192万km²(日本の約5倍)
- 人口
- 約2億7,900万人(世界第4位)
- 首都
- ジャカルタ(新首都「ヌサンタラ」へ段階的に移転中)
- 言語
- インドネシア語(Bahasa Indonesia)/ジャワ語・スンダ語など700以上の地方語
- 宗教
- イスラム教 約87%、キリスト教 約10%、ヒンドゥー教 約1.7%(主にバリ島)、仏教 約0.7%
- 民族
- ジャワ人(約40%)、スンダ人、バタック人、バリ人、マドゥラ人など300超
- 通貨
- インドネシア・ルピア(IDR)
赤道をまたぐ東西5,000km超に及ぶ大群島国家で、日本との時差は −1〜−3時間(3つの時間帯)。年間を通じて高温多湿の熱帯気候で、雨季(10〜4月)と乾季(5〜9月)に分かれます。世界最多のムスリム人口を持ち、宗教・食事・生活習慣への配慮が受入れの鍵になります。
在日インドネシア人は2024年時点で約12万人。技能実習・特定技能では建設・介護・食品加工・農業など幅広い分野で受入れが進んでおり、真面目で穏やか、日本語習得も比較的早いという評価があります。
インドネシアが誇る世界遺産の風景
インドネシアには9つの UNESCO 世界遺産があり、そのうち5つが文化遺産、4つが自然遺産です。仏教・ヒンドゥー教・イスラム文化と、地球最古級の生態系が同居する多彩な国土。ここでは代表的な4か所の風景をご紹介します。
写真クレジット(Wikimedia Commons より):
ボロブドゥール © CEphoto, Uwe Aranas (CC BY-SA 3.0) / プランバナン © Christopher Michel (CC BY-SA 4.0) / ジャティルイ棚田 © Imacim (CC BY-SA 4.0) / コモドドラゴン © Adhi Rachdian (CC BY 2.0)
現場で使えるインドネシア語フレーズ
インドネシア語(Bahasa Indonesia)は、マレー語をベースに整えられた標準語で、アルファベット表記・発音は日本人にとって比較的やさしい言語です。動詞の活用や時制変化がほとんどなく、「初心者にやさしい言語」として世界的にも知られています。まずは基本のあいさつから始めてみましょう。
インドネシア語の「Terima kasih」──ローマ字通り「テリマ・カスィ」。日本人でもすぐに口に出せる、心が近づく一言です。
基本フレーズ一覧(インドネシア語)
- スラマッ・パギ(Selamat pagi):おはようございます(〜10時ごろまで)
- スラマッ・シアン(Selamat siang):こんにちは(昼〜14時ごろ)
- スラマッ・ソレ(Selamat sore):こんにちは(15〜18時ごろ)
- スラマッ・マラム(Selamat malam):こんばんは
- テリマ・カスィ(Terima kasih):ありがとう
- サマ・サマ(Sama-sama):どういたしまして
- ヤー(Ya):はい / ティダッ(Tidak):いいえ
- アパ・カバール?(Apa kabar?):お元気ですか?
- バイッ(Baik):元気です/良いです
- エナッ(Enak):おいしい
- マアフ(Maaf):ごめんなさい/すみません
- プルミシ(Permisi):失礼します/通してください
- トロン(Tolong):お願いします/助けて
また、目上の人や上司には「バパッ/パッ(Bapak / Pak)」(男性)「イブ/ブ(Ibu / Bu)」(女性)と呼びかけると丁寧です。日本でいう「〜さん」より少し敬意を込めた呼び方で、職場での関係づくりに有効です。
インドネシアの文化・習慣で知っておきたい8つのこと
1. イスラム教(ムスリム)が国民の約9割
インドネシアは世界最多のムスリム人口を抱える国です。ムスリムの方には次の配慮が基本になります。
- 1日5回の礼拝(Sholat):日の出前・正午・午後・日没後・夜。短時間ですが、静かな礼拝スペース(プレイヤールーム)を用意していただけると大変喜ばれます。
- ハラール食(Halal):豚肉・アルコールは禁忌。調理器具の使い分けやお弁当・懇親会のメニュー配慮が必要です。ハラール認証マークのある食材が安心。
- ラマダン(Puasa/断食月):年に1か月、日の出から日没まで飲食を絶ちます。労働時間や体調管理への配慮を。
- イドゥル・フィトリ(Idul Fitri / Lebaran):ラマダン明けの大祭。家族と過ごすための帰省が国民的行事。日本のお盆・お正月に相当します。
2. バリ島の方はヒンドゥー教が多数派
インドネシア全体ではムスリムが多数ですが、バリ島出身者はヒンドゥー教徒がほとんどです。宗教が異なると食事や祝祭日も変わるため、採用時にご本人の宗教を確認しておくと配慮がスムーズです。ヒンドゥー教徒は牛肉を食べません(豚肉・アルコールは可)。
3. 家族・仲間を大切にする「ゴトン・ロヨン」の精神
「Gotong Royong(ゴトン・ロヨン)」とは、お互い助け合い、共に働く精神。インドネシアの社会・職場の根本にあります。同じ職場の仲間・同郷の仲間を大切にし、家族への仕送りのために日本に来ている方も多くいます。給与や休暇の相談は「家族のため」という視点を持って聞くと信頼につながります。
4. 年長者・上司への敬意「Bapak / Ibu」
年長者や役職者への敬意はとても大切で、日本の職場文化(挨拶・報連相・上下関係)は比較的なじみやすい国民性です。名前ではなく「バパッ○○」「イブ○○」と呼びかける文化もあり、担当者を「バパッ加藤」のように呼んでいただけると距離が縮まります。
5. 食文化:米が主食・辛くて風味豊か
主食は米で、日本と同じくご飯が中心。ナシゴレン(チャーハン)、サテ(串焼き)、ルンダン(牛肉のスパイス煮込み)、ソト(スープ)など、スパイスとココナッツミルクを使った料理が特徴です。ムスリムは豚肉・アルコール禁忌のため、賄い・食堂・懇親会での配慮が必須。ハラール弁当や、豚肉を使わないメニューの提案が喜ばれます。
6. 右手を使う・左手は不浄
南アジア・東南アジア文化圏に共通する習慣で、食事・握手・物の受け渡しは右手が基本です。左手は不浄とされるため、書類や物を渡すときは右手または両手で渡すのが丁寧です。頭も神聖な部位とされ、たとえ親しみを込めても頭をなでるのは避けましょう。
7. 靴を脱ぐ・裸足で祈る文化
モスクや家に入るときは靴を脱ぐ習慣があり、この点は日本と共通。生活習慣として親和性が高く、寮生活・家庭訪問時のマナーが伝わりやすい国民性です。
8. 「ジャム・カレット(ゴム時間)」──ただし仕事は別
「Jam Karet(ゴムのように伸びる時間)」という言葉があり、プライベートでは時間にゆったりした文化があります。ただし仕事の場ではきちんと時間を守る意識があり、日本での勤務においては大きな問題になりにくいのが実感です。むしろ「時間厳守」のルールを最初に明確に伝えることで、しっかり守ってくれます。
受入現場でのアドバンテージ
- インドネシア語は日本人にとって学びやすい:アルファベット表記・動詞の活用なし。担当者も少し覚えるだけで距離が縮まります。
- 穏やかで協調性が高い国民性:介護・接遇・チーム作業と親和性が高い。
- 年長者を敬う文化・日本の礼儀作法との親和性:挨拶・報連相の習慣がなじみやすい。
- 母国送り出し機関の教育レベルが高い:日本語N4〜N3レベルで来日する人材も増加傾向。
- 2027年育成就労制度に向けた供給拡大が見込まれる:ベトナムに次ぐ主要送り出し国として存在感が拡大中。
文化理解が定着率を上げる
弊組合の巡回指導の経験から言えることがあります。定着率が高い職場には共通点があります。それは、担当者がその方の名前・出身地(島)・宗教・家族構成をきちんと知り、母国語で一言かけ、宗教的な配慮(礼拝・食事)を自然に受け入れていることです。
ムスリムの方の受入れは、初めての企業様には少しハードルが高く感じられるかもしれません。しかし実際にはプレイヤールームの設置は畳2畳分のスペースがあれば十分で、食事は「豚肉・アルコールを避ける」というシンプルなルールを守るだけで大きな信頼につながります。
アシストみやぎでは、インドネシアからの技能実習・特定技能人材の受入れに関する事前研修(宗教・食事・生活習慣)、配属後のフォロー訪問、生活相談まで一貫してサポートいたします。受入をご検討中の企業様、まずはお気軽にご相談ください。
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