「外国人材の受入れを決めたけれど、ベトナムってどんな国?」そんな疑問を持つ担当者様は少なくありません。ベトナムは長年、日本への技能実習生・特定技能人材の最大の送り出し国です。アシストみやぎでもベトナム出身者を中心に受入支援を行ってきました。このコラムでは、現場で役立つベトナムの文化・言語・習慣の基礎知識をまとめました。
まず知っておきたい基本情報
- 正式名称
- ベトナム社会主義共和国(Cộng hòa Xã hội chủ nghĩa Việt Nam)
- 面積
- 約33万km²(日本の約88%)
- 人口
- 約9,900万人
- 首都
- ハノイ(最大都市はホーチミン市/旧サイゴン)
- 言語
- ベトナム語(Tiếng Việt)/ローマ字表記「クォックグー」
- 宗教
- 仏教(大乗仏教)、儒教・道教が生活文化に根付く。少数派としてカトリック・カオダイ教など
- 民族
- キン族(約86%)ほか少数民族54
- 通貨
- ベトナム・ドン(VND)
インドシナ半島東部に位置し、南北に細長く延びる国土(約1,650km)。北部はハノイを中心とする紅河デルタ、中部はフエ・ダナン・ホイアンの古都、南部はホーチミン市とメコンデルタと、地方ごとに気候・食文化・方言が異なります。日本との時差は −2時間。
在日ベトナム人は2024年時点で約56万人と、国籍別では中国に次いで第2位。技能実習生の出身国として毎年最多を占めており、アシストみやぎの受入れでもベトナム出身者が中心です。
ベトナムが誇る世界遺産の風景
ベトナムには8つの UNESCO 世界遺産があります(文化5・自然2・複合1)。北部の石灰岩の奇景から、中部のグエン朝の王宮、交易都市の街並みまで、南北に長い国土の多様性がそのまま表れています。ここでは代表的な4か所の風景をご紹介します。
写真クレジット(Wikimedia Commons より):
ハロン湾 © Taewangkorea (CC BY-SA 4.0) / ホイアン © Alexkom000 (CC BY 4.0) / フエ午門 © Chainwit. (CC BY 4.0) / チャンアン © Jakub Hałun (CC BY 4.0)
現場で使えるベトナム語フレーズ
担当者が一言でもベトナム語を話してくれると、実習生は「自分のことを大切にしてもらえている」と感じます。難しい文法は不要です。まずはあいさつから始めてみましょう。
言葉は完璧でなくていい。「カムオン」のひと言が、職場の空気を変えます。
基本フレーズ一覧
- シンチャオ(Xin chào):こんにちは
- カムオン(Cảm ơn):ありがとう
- ヴァン / ダー(Vâng / Dạ):はい(丁寧な返事)
- コン(Không):いいえ
- タムビエット(Tạm biệt):さようなら
- ゴン(Ngon):おいしい
- コーサオ(Không sao):大丈夫です/気にしないで
- シンローイ(Xin lỗi):ごめんなさい/すみません
- ラム オン(Làm ơn):お願いします
ベトナム語は声調言語で、同じ音でも声の高低・抑揚によって意味が変わります。ただし日本人が少し発音が外れても、文脈と笑顔があれば十分伝わります。怖がらずに使ってみてください。表記はローマ字(クォックグー)なので、視覚的には馴染みやすい言語です。
ベトナムの文化・習慣で知っておきたい5つのこと
1. テト(旧正月)を何よりも大切にする
ベトナム最大の行事が「テト(Tết)」──旧暦の正月です。毎年1〜2月頃に訪れ、家族が集まり先祖に感謝する日本のお正月にあたる特別な時期。この時期、実習生が故郷を強く思う気持ちはとても自然です。社内でテトを少し祝ってあげたり、家族との電話・オンライン通話の時間を配慮したりするだけで、大きな絆が生まれます。
2. 集団・仲間意識が強い
ベトナム人は家族・仲間のつながりをとても大切にします。同郷の仲間と行動することが多く、職場内で孤立させないことが大切です。同じ国の仲間が先に働いている職場への就職を希望するケースも多く、先輩実習生が良い職場環境を伝えることが次の採用にもつながります。
3. 礼儀と上下関係を重んじる
上司・先輩への敬語と礼儀はベトナムでも大切にされています。日本の職場文化(挨拶・報連相)は比較的なじみやすい反面、「わからないのに聞けない」という遠慮から来るコミュニケーション不足が起きることも。「わからないときはすぐ聞いていい」と最初に伝えることが重要です。
4. 宗教は多様。仏教・儒教文化が根底に
ベトナムは大乗仏教が中心で、儒教・道教が混ざり合った文化的背景を持ちます。宗教的な断食や礼拝の義務はほとんどの場合ありませんが、先祖供養・節目のお参りは大切にしています。カトリック信者もおり(約7%)、日曜のミサ出席を希望する方には配慮を。イスラム教徒はほとんどいないため、食事制限(豚肉・アルコール)は基本ありません。
5. 食文化:魚醤・米・麺が基本
ベトナム料理は「ヌクマム(Nước mắm・魚醤)」が基本調味料で、日本の醤油のように何にでも使います。米を主食とする点は日本と共通していますが、麺料理も豊富。フォー(Phở/米粉麺スープ)、バインミー(Bánh mì/サンドイッチ)、ブンチャー(Bún chả/つけ麺)などは日本でも親しまれています。パクチー(香菜)を多用するのが特徴。食事は職場での交流ツールになります。賄い食を一緒に食べる機会があれば、ぜひ積極的に設けてみてください。
受入現場でのアドバンテージ
- ローマ字表記の言語:クォックグー表記なので、書き言葉の学習ハードルが比較的低い。
- 米食・箸文化・大乗仏教:日本との生活習慣の共通点が多い。
- 勤勉さと適応力:技能実習生の主要国として日本の現場での評価が定着。
- 豊富な送出機関ネットワーク:日本語N4〜N3レベルで来日する人材も多数。
- 宗教的な食事制限が基本なし:賄い・懇親会での配慮ハードルが低い。
言葉・文化理解が定着率を上げる
弊組合の巡回指導の経験から言えることがあります。定着率が高い職場には共通点があります。それは担当者が実習生の名前をきちんと覚え、母国語で一言かけ、困ったときに相談しやすい雰囲気を作っていることです。
完璧な理解は必要ありません。「あなたのことを知ろうとしている」という姿勢が、実習生の安心感と意欲に直結します。
アシストみやぎでは、ベトナムからの技能実習・特定技能人材の受入れに関する事前研修、配属後のフォロー訪問、生活相談まで一貫してサポートいたします。受入をご検討中の企業様、まずはお気軽にご相談ください。
TEL:0220-23-8266/Email:contact@assist-miyagi.or.jp